罵倒の作法

この世界で今、あらゆる罵倒が飛び交っている。罵倒は、理性や倫理の弾けたところで沸き起こる。怒りや憎しみの一表現形態と目される罵倒は、力を持つ側ではなく、弱き者たちの手にこそあるべきだ。理性や倫理の枠外で、表現しなければ生きていけなくなるような機会が人にはあるのだ。しかし、そこには「作法」が必要とされるのではないか?
長期プロジェクト『罵倒の作法』は、2021年から5年を目処とし、様々なリサーチや大小規模の作品発表を繰り返しながら、最終的なパフォーマンス作品の完成を目指す。

「罵倒の作法」プロジェクトの構想を練りながら、2020年10月にオンラインで実施したマルキ・ド・サドの『ジュリエット物語又は悪徳の栄え』(未知谷 / 佐藤晴夫訳)から毎回異なる場面をリーディングするシリーズ企画。


マルキ・ド・サド『ジュリエット物語又は悪徳の栄え』リーディング

vol.0
イントロダクション
・企画説明
・サドについて
・『悪徳の栄え』について
アーカイブ動画

vol.1
出演:神嶋知、三田村啓示、増田美佳、木村悠介
p.486-494
アーカイブ動画
*不備により途中からの配信になっております。 *不備により途中からの配信になっております。

vol.2
出演:三鬼春奈、神嶋知、三田村啓示
p.421-430
アーカイブ動画

vol.3
出演:三鬼春奈、神嶋知
p.260-269
アーカイブ動画

vol.4
出演:三鬼春奈
p.597-605
アーカイブ動画

vol.5
出演:伊藤彩里、三田村啓示
p.288-295
アーカイブ動画

vol.6
出演:三鬼春奈、三田村啓示
p.296-306
アーカイブ動画

vol.7
出演:伊藤彩里、増田美佳
p.620-630
アーカイブ動画

vol.8
出演:増田美佳、伊藤彩里、神嶋知
p.605-615​​​​​​​​​​​​​​
アーカイブ動画

vol.9
出演:増田美佳、神嶋知
p.12-25​​​​​​​​​​​​​​
アーカイブ動画

vol.10
出演:伊藤彩里、三田村啓示​​​​​​​
p.1017-1030​​​​​​​
アーカイブ動画


主催・企画・進行:木村悠介
使用テキスト:マルキ・ド・サド『ジュリエット物語又は悪徳の栄え』(未知谷 / 佐藤晴夫訳)

本事業は文化庁「文化芸術活動の継続支援事業」の補助を受け、実施いたしました。

2021年度に実施した本リサーチでは、木村悠介自身の考えをまとめた論文を基調報告とし、舞台芸術を中心とした芸術分野・人文科学の研究者、実践家、アーティストなどに読んでいただき、そのリアクションとして、それぞれの立場からの60分の講義と質疑応答30分をセットにした公開オンライン・レクチャーを、2021年8月〜翌3月に全5回実施した(第5回のみ特別編)。


オンライン・レクチャー・シリーズ
『罵倒の作法』

第1回
ゲスト講師:杉田敦(美術批評 / art & river bankディレクタ / 女子美術大学教授)
アーカイブ動画

第2回
ゲスト講師:高山明(演出家 / アーティスト)
アーカイブ動画

第3回
2021年11月27日(土)15:00〜
ゲスト講師:鴻英良(演劇研究者)
アーカイブ動画

第4回
ゲスト講師:げいまきまき(女優 / パフォーマー / 元セックスワーカー)
アーカイブ動画

第5回
「ディアスポラの詩人・金時鐘を読む
ゲスト:磯和武明、山村麻由美
アーカイブ動画


本オンライン・レクチャー・シリーズと関連して、以下のテキストもご参照ください。
論文『罵倒の作法 —表現行為としての罵倒とそのレファレンス—』(2021年4月2日公開)pdf

手紙 —オンライン・レクチャー・シリーズ『罵倒の作法』中間報告にかえて—(2021年12月20日公開)pdf

◎杉田敦
美術批評。art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。著書に『ナノ・ソート』(彩流社)、『リヒター、グールド、ベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)など、編著に『芸術と労働』(水声社)などがある。アート・プロジェクトに『critics coast』(越後妻有大地の芸術祭, 2009)、『nano school』(blanClass, 2013-19)など、個展に『サンクチュアリ、あるいはアジールのあとにくるもの』(空蓮房, 2015)などがある。タブロイドの批評誌『+journal』の編集にも携わっている。2017年、リスボン大学の博士過程で教鞭をとりつつ各地の国際展を巡りARTiTで連載したものの刊行を準備中。また、今夏からは前連載の基盤となる考察についての論考の連載を予定している。

◎高山明
1969年さいたま市生まれ。演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)主宰。既存の演劇の枠組を超え、現実の都市や社会に介入するプロジェクトを世界各地で展開している。近年では、美術、文学、観光、建築、教育といった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想を観光や都市プロジェクト、教育事業やメディア開発などに応用する取り組みを行っている。主なプロジェクトに『マクドナルドラジオ大学』、『ワーグナー・プロジェクト』、『東京修学旅行』、『ヘテロトピア・プロジェクト』、『国民投票プロジェクト』、『完全避難マニュアル』など多数。著書に『テアトロン – 社会と演劇をつなぐもの』がある。
http://portb.net/

◎鴻英良
演劇研究者。1948年、静岡県弁天島生まれ。東京工業大学理工学部(制御工学)卒。東京大学大学院修士課程(ロシア文学)修了。1974、75年ごろに、鈴木忠志の『トロイアの女』、寺山修司の『盲人書簡』、『疫病流行記』、唐十郎の『腰巻おぼろ:妖鯨篇』などを見て、演劇に興味を持ちはじめる。1980年、別冊新評『別役実の世界』に「原風景と記憶:崩壊する共同体の構造とベケット的空間の変容」を書いたことを契機に演劇批評の世界に入っていく。著書に『二十世紀劇場:歴史としての芸術と世界』(朝日新聞社、1998年)、訳書に、タルコフスキー『映像のポエジア:刻印された時間』(キネマ旬報社、1988年)、カントール『芸術家よ、くたばれ!』(作品社、1990年)など。

◎げいまきまき
演劇やダンス等舞台作品への出演、パフォーマンスや映像制作。路上から劇場、国内外。何でも一度は食べてみるタイプ。2019にセックスワークについてのパフォーマンス+展覧会も。現在セクシュアルマイノリティの性感染症予防啓発のセンターで働いている。
今回はそんな経歴の私が国内の民族少数者、セクシュアルマイノリティなどへのヘイトデモや排外的な言動に対するカウンターに加わり、その中で見たもの体験したことをお話出来ればと思います。
参加している日中韓の作家のグループ「刷音」の横浜トリエンナーレ出展サイト。刷音 SURE INN (sure-inn.com)」

◎磯和武明
1986年生まれ。俳優。大工。珈琲屋。家具、鞄作家。
近年の出演作【舞台】大人の麦茶『お後がよろしくありますように』、Project Nyx『霧野仙子』他、【CM】ニチバン『ケアリーヴ』、スバル『レヴォーグ』、リビングハウス他。
山で暮らし、モノ作りと俳優業、どちらも本業として生活している。
https://madeinisowa.annprn.com/

◎山村麻由美
1984年生まれ。俳優。青年団、E-pin企画所属。 主な出演作【舞台】地点『三人姉妹』他、遊園地再生事業団、明日のアー、木ノ下歌舞伎等。【映画】『友だちのパパが好き』『夜明けの夫婦 Dawning on Us(2021年)』(山内ケンジ監督)等。俳優の他、美術モデル、イベント脚本・演出家など活動は多岐に渡る。近年はコント作品の企画、キャスティングも行ったりする。 現在、別役実作品、別役実演劇教室について研究中。


企画・進行:木村悠介


kyoten_logo.jpg


主催:学校法人瓜生山学園 京都芸術大学<舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点>

2021年度「罵倒の作法 –求められる怒りと憎しみの表現形式を巡って」
研究代表:木村悠介

「舞台芸術の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点」は、学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センターが母体となり、文部科学省「共同利用・共同研究拠点」の認定を受けて2013年度に設置された研究拠点です。ウェブサイト: www.k-pac.org/kyoten/

大学開学30周年記念 劇場20周年記念

舞台芸術研究センター

〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116(京都芸術大学内)

朝鮮に生まれて戦後日本に渡り、日本語で詩を書き続けている詩人・金時鐘。日本の植民地統治下で日本語に親しみ、皇国少年として育った金時鐘は、朝鮮語に疎く、ハングルもうまく書き取れないまま終戦を迎える。その後、朝鮮人としての自覚を深めるとともに社会主義に共鳴し、済州島四・三事件に関わり、追われるように日本に渡り、詩を書き始める。日本語で詩作を行うことに対する同胞からの強い批判に晒されながらも、日本語にこだわり続けてきた理由を金時鐘氏は「日本語への報復」とある時に表現している。

金時鐘の詩は、湧き出そうになる様々な罵倒を押し殺すかのようにして書き綴られたもののように感じられる。

「罵倒の作法」プロジェクトの最初の作品制作として、金時鐘氏の詩をテキストにした演劇作品を制作し、2022年12月に京都・東京で上演を行った。

作品詳細

プロジェクト始動時から「同時代の作家に執筆を依頼するなら他にはいない」と木村が考えていたのが司辻有香だった。個の奥底の叫びをえぐり取る司辻が「罵倒の作法」のために新作を書き下ろし、その散文体によるテキストを俳優・三鬼春奈の出演で上演。愛憎渦巻く言葉から罵倒に対抗する言葉とそれを担う俳優の身体を模索した。(「辻」は正確には一点しんにょう)

作品詳細